呪鬼会の実態に迫る

呪いをバカにするものは

とあるテレビ番組の取材で

呪鬼会への取材を続け行くうちに以前とある民放テレビ番組の制作会社に勤めるA氏からこのような報告がありました。A氏が担当していた番組では世の中の珍しい代行サービスというテーマで番組を制作することになり、呪い代行サービスとして三社へ取材依頼をした結果、呪鬼会と他二社から取材の承諾を得ることができたそうです。

番組の構成として三社の代表者にスタジオに来てもらい、パネラーであるタレントの出演者と司会のアナウンサーたちから様々な質問を織り交ぜながら呪い代行サービスの実態と呪いが存在するのかなど、お笑い芸人もキャスティングされていたそうで、どちらかというとバラエティー色が強い番組だったそうです。

視聴率も毎回まずまずのため、プロデューサーは少々天狗になっていたのでしょうか、時として感謝の意を表すべき取材対象に、テレビに出してやってるんだぞ、とでも言いたげな横柄な態度をとることがあった、とA氏は振り返りました。

プロデューサーAを襲った災い

そこで呪鬼会に取材の依頼をした後、スタジオで収録前の仮打ち合わせでプロデューサーと呪鬼会の担当者が顔合わせした時に事件が起きたそうです。 最初はなんともなげに始まった打ち合わせでしたが、そのうちプロデューサーが呪鬼会の担当者に、いくらもらってるんですか?呪いって本当はないんでしょ?あんたらいい商売ですよね、などと挑発を超えた無礼な態度をとるようになったそうです。取材の中であえて相手を怒らせる手法というものは確かにあります。

しかし、それは相手を見て行うべきことでしょう。さらにはその裏にはその取材対象をもっと深く取り上げたいとう敬意がなければただ相手を侮蔑するだけです。 Aさんは横目でプロデューサーを気にしながら呪鬼会の担当者から目を離さなかったそうです。能面越しだったそうですがその目は青白い冷たい炎のように鋭く光り、一言こういったそうです。

「わかりました。この度の取材はお断りさせていただきます。呪いの効果に疑問をお持ちのようですが、よろしければ実際にご体験させて差し上げます。」と。 どういう意味かわかりかねていたAさんでしたが、普段なら取材を断られることなどないプロデューサーはその言葉に怒り、何を言ってるんだ!やれるものならやってみろ!と売り言葉に買い言葉、啖呵を切ってその場を立ち去りました。 Aさんはその後も呪鬼会の担当者に丁寧にお詫びをして、担当者は「お気になさらず」とその場はおさまったかに見えましたが、翌日から事件は起きました。 番組を担当していたプロデューサーが翌日出社してこなかったのです。

さらにその翌日も。テレビ制作の現場ですから一日二日出社してこないというのはよくある話です。しかし、Aさんは先日のやり取りが気になっていたので、偶然だろうと思いながらもプロデューサーに番組制作の相談とかこつけて電話をしてみました。 「・・・もしもし・・・」 「あ、Aです。大丈夫ですか?」 「・・・悪いんだが今すぐ俺の家に来てもらえないか」 Aさんはプロデューサーに呼ばれすぐに自宅にいきました。マンションのドアを開けるとそこには真夏にかかわらず毛布にくるまってぶるぶると震えるプロデューサーがいたのです。

聞けばあれからずっと、担当者の声が頭の中で響き、一睡もできなかった、とのこと。 Aさんはこれが呪いの力なのか、と急いで呪鬼会の担当者とアポをとったそうです。 そうして、プロデューサーは改めて非礼を詫びて、真摯に番組作りに励むことを約束されたそうですが、残念ながら呪鬼会はその番組の出演を正式に断り、番組は呪鬼会抜きの三社で放送されたそうです。

今でもAさんとプロデューサーは呪い関係の番組制作の企画が上がるたびに呪鬼会をすすめる声をよくきくそうですが、そのたびに理由をつけて反対するそうです。 ちょっとした好奇心や冷やかしからとんでもないことに巻き込まれることもあるのでしょうね。

悪徳呪いサイトを運営していたB氏

次に紹介したい人B氏は、数年前まで呪い代行サイトを立ち上げていた。B氏は当時、専門学校生、情報系の学校だったことからホームページの制作や運営などはお手の物で、学校の授業の合間にホームページ制作や各アプリの作成などをフリーで受け追っていたそうだ。

その中で、同級生のC君から呪い代行サイトを紹介されて、これなら自分でもできるんじゃないか、と気軽にサイトを立ち上げたそうです。 サイト立ち上げは、B氏にとっては簡単なもの、ものの数時間で作成、問題は写真や文章など、そこで目を付けたのが呪鬼会だったそうです。 写真から文章までそのまままるぱくり、サイト名も呪鬼会をもじった似たようなものにして、あえて呪鬼会と誤解させるようなミスリードに満ちた作りを目指したそうです。

一番有名なサイトゆえに顧客を奪うことも簡単だろう、そうB氏は考えたそうでした。 立ち上げから数か月後、ボチボチと問い合わせなどもくるようになり、実際に料金などの徴収も行うようになったそうです。これはいいバイトだな、B氏はほくそ笑みながらそう思ったそうです。 しかしそんないいバイトは長くは続きませんでした。ある時、B氏のサイトを呪鬼会と勘違いした依頼者が呪鬼会に問い合わせをしたのでしょうか、呪鬼会から直接話がしたい、とそういわれたそうです。 B氏は最初は無視していましたが、呪鬼会からの警告は止まりません。

呪いの効果の強さを説明から、だんだんとこのまま呪いをもてあそぶことの恐ろしさまで、それはB氏を脅しているというよりは心配しているような文面だったそうです。 B氏は恐ろしくなって、それほど呪いが恐ろしいなら俺にかけてみたらいいじゃないか!と返信したそうです。

今となっては後悔しても後悔しきれない文面ですね。 次の日から呪いは効果を生み始めました。 夜寝ている間に誰ともない呻き声のようなものが響き始めたそうです。次の日、B氏がサイトを閉鎖したことは言うまでもないでしょう。